宅配の運賃は安い?
宅配業者は人手不足が原因で2017年秋ごろから、基本料金の値上げをするようである。値上げだけで、今のこの業界の問題が全て解決するとは誰もが安堵してはいない筈だ。
まだ私が仕事をしているころである、大事な商品だからと言うことで、宅配便では無く、チャーター便で送って欲しいと要望されたことが有る。
もし、大阪から東京のお客様宅まで、宅配業者にその運搬を依頼したとすれば、彼らは最も合理的なシステムで配送するため、2800円程度の送料を支払うことで受け取ってくれる。
でもチャーター便なら、軽トラックで走ってもらっても、80、000円は必要だ。
私は以前にもチャーター便を利用しようと見積もりして頂いたことが有るので、その金額を、お客様にお伝えした。 やはり、この度のお客さまも、大そう驚いていた。
お客様の側から見れば、宅配が2800円ならチャーター便なら8000円程度、出せばいいのかな、と想定するのが人情である。でも、往復のガソリン、高速料金、ドライバーの人件費、車の償却など加算してみれば、確かに80,000円は安いかもしれない。
それなら、宅配料金はどうして安く出来るのだろうか。
縦60cm+横60cm+高さ40センチ 合計:160サイズの荷物を大阪から東京へ、宅配便で配達をお願いしたとする。
160サイズの荷物を私とすれば、宅配会社に持ち込まれた私は、梱包が破損していないかの目視チェックと、サイズと重量を測定される。また発送伝票の届け先の住所で、行き先の分類が行われる。
私は次の営業所101行きのトラックに他の荷物と一緒に乗せられた。決して東京行や関東行といった直行便ではなかった。
101の営業所で降ろされた私は、次の愛知県方面の102営業所行のトラックに、他の営業所からの荷物と相乗りである。 その後102営業所から103営業所へ、103を出発するとき次の104営業所がようやく関東方面と分かった次第だ。
そしてお届け先の営業所105号に到着したのは、午前11時頃であった。
大阪から16時間要したことになる。
周りを見ると、小さな荷物はカゴに入れられているためか、外観はそんなに疲れた様子が見られない。それに比べ、裸で運ばれた私は、無数の擦り傷と、箱に掛けられていた紐が、随分と緩んでしまったりして、結構ダメージを受けた。
前述の例えでお分かりのように、数か所の営業所で中継、乗継、相乗りすることで、より多いときは1台のトラックが、数百個の荷物を輸送していることになる(数は想定)。
つまり一言で説明すると、幾つもの乗継と、各営業所からの相乗りのお蔭で、一つ当たりの送料が安く設定できたと言う訳である。
これで、直行便や、チャーター便と違って、宅配の送料が安く設定できていることが理解できたと思う。
しかし、私が擦り傷だらけになってしまったことは、決して見逃せない問題が残された様である。これについては次の機会でお話しすることにしよう。
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