雨降って、地かたまる
2016年秋、アメリカにトランプ大統領の誕生が、報じられるころ、彼の選挙期間中のスピーチの中で、その名指しがなされた国々では、改めてアメリカとの因果関係を見直さざるを得なくなった。
我が国、日本では、経済問題はもとより、日米同盟の根幹に触れて「アメリカは日本を守っても、アメリカは守られない」など、不公平感を指摘された。
終戦当時、連合国を代表するアメリカは、大戦に敗れた日本に、二度と開戦させないようにと、非軍事力国家で有り続けることを日本国憲法に盛り込んだ。
だから、「アメリカを守りたくても、武力行使が出来ない」と原因を説明しなければならなかった。
また、アメリカ駐留軍に至っては、日本のさらなる費用負担が出来ないなら、撤退する。とまで豪語したのである。
彼はあまりにも現在の日本を知らずにして無茶を言っていると、反論したくなったのは、私だけではないはずだ。
しかし、今年、2月になってマティス国防長官が来日の際、「日本は他の同盟国の手本だ」と言った。 さらに2月10日に安倍総理が訪米の際、首脳会談を終えた記者会見では、日本の米軍駐留受け入れを「感謝する」とまで言った。
いつ、どこで、何が有ったのか、真逆の対応に日本国民もまるで、狐につままれたようだ。
時を同じくして、北朝鮮のミサイル発射実験が日本海に着弾したことでも、アメリカにとって、アメリカ軍を日本に駐留させることは、アメリカ自身の防衛にも欠かせないものになっていたのだ。
冷戦時代は、ロシアを見据え、その後は中東を安定させる目的で、今では北朝鮮の軍事開発を抑止、と、増々、日本はアメリカ国防の砦となっていることがお互いが再認識したようである。
しかし、いつまでも、この状況に甘んじていたのでは、ダメだと言うことは多くの日本国民が感じているだろう。
でもよかった、経済や世界の安全保障にも日本が世界にとって必要とされていることが、トランプ氏の暴言によって再認識されたのだ。
日本のことわざで「雨降って地固まる」と言う言葉が有る。
これは、悪いことが有っても、かえって前よりも良い状態になることである。
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